2008年12月16日

出でよ現代のブラック・ジャック

NHK総合「プロフェッショナル 仕事の流儀」を今日初めて観た。今日の放送はアンコールだった。大腸内視鏡治療のエキスパート・工藤進英先生の闘いを描いていた。大腸がんを内視鏡によって早期に発見し、その場で適切な判断を下し、可能であれば即座に摘出する。工藤先生は30年に及ぶ医療経験と知識から、患者さんが「自分の家族だったら」という立場で最善の方法を選ぶ。

俺の祖母がやっぱり大腸がんの手術をしたことがあって、最期は肺をはじめ全身に転移して亡くなった。内視鏡で早期に発見できていたら、もしかしたらまだ笑っていたかもしれない。しかし大腸内視鏡治療は今やっとメジャーになってきたものだ。この工藤先生も若い頃は苦労されたらしい。内視鏡で消化器内を検査するのは内科の分野だし、がんが見つかったときそれを手術で摘出するのは外科だ。

大きな病院ではいろんな科が設置されていて、総合的に治療が受けられると思ったらそれは間違いである。専門医は本当に自分の専門しかわからない。そこで他の科に紹介してくれる医師であったならそれはラッキーなことだ。実際は自分で症状を把握してちゃんとしたところにかからないと、まずほったらかしになる。これは今現在、俺のかーちゃんがそういう状況だからわかる。最初に受診した科では「たいして問題はない」って言われて、「でもこれはおかしいです」って言ったら「じゃあオペしましょう」ってなった。それで手術が終わってしばらくしたら、また症状が出始めた。しかも前より悪くなってる。もうその医者はお手上げだった。かといって、他の病院を紹介するでもなく、別の科をすすめるわけでもなかった。

結局、いつも通ってる近くのちっちゃな医院で他の病気だったってことがわかって、自分で今の治療にたどりついた。それでもう1年経つんだけど、どうも、これもあまり功を奏さないみたいで、医者は「数値は正常になってきた」って言うけど症状はひどくなってきてて、新たに別の病院を予約した。もう完全に自力。最初に診てもらった医者も、その次も、一応は「名医」ってことになってて信頼してたけど、ダメだね。確かに専門には詳しいから、自分の専門でできる範囲のことを「ちゃんと」やってくれるんだけど、横のつながりがないから「もしかしたら他の科の領域かもしれない」って考えてくれない。「名医」(笑)だから自分の力で、自分「だけ」の力でなんとかしようとしてるみたいだけど、そんなんだったらいわゆる「たらいまわし」の方がマシかもしれない。いや、最後までまわされてたら困るんだけど、いろんな医者に診てもらっていちばんいい治療を受けたいじゃない。

・・・えーと、話が逸れたw身内のことだけについ熱くなってもうたw

工藤先生は困難とされていた内視鏡手術を、己の技術を磨き経験を積んで、外科内科をかけもってものにした。今では世界の医療の現場で取り入れられている。パイオニーアであったし、今も研鑽をつんでいる。メーカーと共同で最先端の内視鏡を開発したりしてるそうだ。

医者は患者の命を救うだけじゃない、その後の人生をも左右するっていう信念。医師ってこうじゃない?工藤先生は御歳60を超えていらっしゃるから、今後はその知識と技術と、なによりもその信念を、若いドクターたちに伝えていってほしい。マジで。

こっから余談だけど、こないだAmazonでブラック・ジャックをBOXで買ったのもあって(まだ読んでないんだけどw)、工藤先生がすげーかっこよく見えた。まるでブラック・ジャックだ(もちろん法外な金銭を要求したりはしないけどw)、って思いながら番組を見終えたら、番組間の予告で鉄腕アトムが出てきてびっくりした。手塚治虫の写真も出てきたりして、まあ偶然だろうけど、なんかつながりを感じてしまった。手塚治虫も医学博士なんだよね。



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