それから男はふと思いついたように、カティサークはあるだろうかと尋ねた。ある、とバーテンダーは言った。悪くない、と青豆は思う。選ぶのがシーバス・リーガルや凝ったシングル・モルトでないところに好感が持てる。バーで必要以上に酒の種類にこだわる人間は、だいたいにおいて性的に淡白だというのが青豆の個人的見解だった。その理由はよくわからない。
これはこの作品の中では、青豆が男の品定めをしているところなんだけど、読んでデジャヴュ覚えた。
村上春樹「雨やどり」(『回転木馬のデッド・ヒート』)P.127
ためしにシーヴァス・リーガルはあるだろうかと訊くと、シーヴァスはちゃんとあった。
「雨やどり」の語り手は村上氏なので、(当時の)村上自身が性的に淡白だった、と暗に言ってるみたいだ。
ここから余談だけど、カティサークって『ねじまき鳥クロニクル』に出てきた気がする。
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