2008年11月5日

東京するめクラブ

村上春樹の紀行文はおもしろい。『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』は今のところ一番新しい紀行文。正確には村上氏のほかに、吉本由美、都築響一の計3人で著したもの。

”好奇心のおもむくまま、「ちょっと変な」ところを見てまわった”とあるように、普通の紀行文やガイドブックとは少し違う。「地球の歩き方」っていうガイドブックのシリーズがあるけど、それに対抗して「地球のはぐれ方」なんだね。

しょうゆ君のふるさと、名古屋から始まる。誤解をおそれずに言えば、名古屋って変だよねw。文化が独特。名古屋の人には2種類あって、一生名古屋から出ない人と、名古屋から出て一生戻らない人とに分けられるんだそう。(そう?>しょうゆ)食文化も独特だし、結婚式の派手さも有名。ほんまディープやで。

ほかには熱海、ハワイといった一見「観光地」にも行くんだけど、熱海はもはや廃墟が群れを成す街で、その廃れ具合を楽しんでいた。うちらと似てるね、見るところが。ハワイは「ゆるさ」に焦点が当たってて、「アホになりに行くところ」なんだそうだ。ぎちぎちに計画立てて行くんじゃなくて、それこそ一日中ホテルで寝てるとか、そういうことが許される。そういう意味では本当の休暇だよね。

江の島、サハリン、清里と続くわけなんですが、読み終わった後、ぜひ「ここに行きたい」と思うことはなかった。ただ、そういう土地があるんだなあと思うだけで。



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