2009年2月9日

PLUTO

浦沢直樹のマンガ。連載中。連載中なのに俺がこうやって書くことはあまりない。しかも浦沢作品だと、20世紀少年のときにも書いたように、「連載中が面白い、完結後はたいしたことなくなる」可能性がより高くなるからだ。

しかし、『PLUTO』だけは別だ。何を隠そう、これは鉄腕アトム「地上最大のロボット」が土台なのだから。手塚治虫の原作を浦沢直樹がマンガ化した(→マンガをマンガで、つまりリメイク)。ということは、細かい寄り道はあるにせよ、ストーリーの大きな破綻はまず考えられないだろうから、安心して読める。

浦沢が『MONSTER』で培ったサスペンス、『20世紀少年』のSF要素、その集大成に神様・手塚治虫の息がかかる―。

大まかなストーリーは、ある科学者が「プルートゥ」というロボットを造り、7体の世界最高水準のロボット―「モンブラン(スイス)」、「ノース2号(スコットランド)」、「ブランド(トルコ)」、「ゲジヒト(ドイツ)」、「ヘラクレス(ギリシア)」、「エプシロン(オーストラリア)」、そして「アトム(日本)」―の破壊を目論む、というもの。

原作と大きく異なるのが、この作品の主人公をドイツの刑事ロボット・ゲジヒトに据え、彼の視点から描いている点だ。(アトムに至っては第1巻のラストでやっと登場する)

はじめに述べたとおり、これは現在連載中なので、「読んでいる間だけ面白い」浦沢作品を面白いうちに読むなら、これしかないし、今しかない。『MONSTER』『20世紀少年』をリアルタイムで捉えらず後悔した俺は、『PLUTO』の続きが楽しみで仕方ない。

関連リンク:

2009/02/09現在、第6巻まで既刊。
02/21に第7巻(豪華版)、02/27に第7巻(ビッグコミックス)が出ます。

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