2009年1月19日

ベロニカは死ぬことにした

真木よう子がヌードになったとかで、しかも真木よう子が「ヌード目的でもいいから観てほしい」とかコメントしたとかで、ちょっと話題になってた映画。

だがオナニーシーンうんぬんは俺はどうでもいい。しかも設定が日本になっちゃってて、ヒロインの名前が「ベロニカ」じゃなくて「トワ」に変更されて、題名からしておかしいことになっちゃった。で、レビューを検索して読んでみたら、「ヌードシーン以外は観る価値ない」みたいなことまで書いてあって、しょうがねぇなーっつって原作のパウロ・コエーリョ『ベロニカは死ぬことにした』を読んだわけだ。

ベロニカは全てを手にしていた。若さと美しさ、素敵なボーイフレンドたち、堅実な仕事、そして愛情溢れる家族。でも彼女は幸せではなかった。何かが欠けていた。ある朝、ベロニカは死ぬことに決め、睡眠薬を大量に飲んだ。だが目覚めると、そこは精神病院の中だった。自殺未遂の後遺症で残り数日となった人生を、狂人たちと過ごすことになってしまったベロニカ。しかし、そんな彼女の中で何かが変わり、人生の秘密が姿を現そうとしていた―。全世界四五ヵ国、五〇〇万人以上が感動した大ベストセラー。(Amazonより)


もうね、ブログのタイトル変えようと思った。「チョムゲは死ぬことにした」って。読む前からなかなか気に入ってて、読んでる間も変えようと思ってた。けど変えないことにした。また今度変えるかもしれないけど。

何ヶ所かドッグ・イヤーしたのでその中から一部を。

精神科医とマリーっていう患者のやりとり。
「わたしはもう治ったの?」
「いいや。きみは人と違うのに、同じようになりたいんだ。それは、わたしから見れば、とても深刻な病気だけどね」
「変わろうとすることが深刻な病気なの?」
「もし無理して自分を人と同じようにしようとするならね。それが神経症、精神病、パラノイアを引き起こすんだ。(略)」

ベロニカとエドアードのやりとり。
「わたしの顔を見て」と彼女は言った。「心の目で覚えておいて、いつか描けるように。もしあなたが望むなら、それがあなたの出発点になってもいいわ。でも必ず絵に戻ってちょうだい。それが最後のお願いよ。あなたは神を信じる?」
「信じるよ」
「それなら、あなたの信じてる神に誓って、わたしを描くと言って」
「誓うよ」
「そしてわたしを描いたら、それからずっと絵を描き続けて」
「そこまで誓えるかどうかは分からないよ」
「誓うのよ。まだあるの。わたしの人生に意味を与えてくれてありがとう。わたしはこれまで体験してきたことを全て体験するために、この世界に生まれてきたの。自殺未遂をして、自分の心臓を壊して、あなたに会って、この城まで来て、あなたの心にわたしの顔を刻みつけさせた。それが、わたしがこの世に生まれてきた唯一の理由なのよ。(略)」

ラストは、読んでる間になんとなくわかっちゃって、それでもちょっとmoved。良かったわ。

狂うことのできる贅沢。



ここから余談なんだけど、精神病院の中のお話だと、大学のころに観た「17歳のカルテ」は良かったですよ。「ベロニカ」で欲求不満になった方は観てみてください。



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