2009年4月24日

フェルマーの最終定理

今さらながら、読みました。サイモン・シン。
17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが―。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション!
流行ももう喉元を通り過ぎた頃だと思いますが、おもしろかったところを。

  • 川の実際の長さは、直線距離のおおよそ三倍になる
これはじつはπ倍(≒3.14倍)なんだと!

  • (四つの区域が七つの橋で結ばれている町ですべての橋を一度だけ渡るためには、それぞれの区域は偶数本の橋で結ばれていなければならない。なぜなら、それぞれの区域を通過するためには、必ず一つの橋を渡ってその区域に入らなければならず、別の一つの橋を渡ってそこから去らなければならないからである。)例外は二つしかない――出発点と終着点だ。
なんかこれってすごく深い意味にとれちゃうんだよね。人生とか。オイラーが考えたのはそんなことじゃないかもしれないけど。数学だからね。

これら以外にもおもしろいことがたくさん散りばめてあったよ。


ここから余談だけど、ラストの方を読んでいて、フェルマーの最終定理の証明は、人類が単純な計算以外で(つまり論理で)コンピュータの力を借りずに解決した最後の問題だったのかもしれない、っていうような印象を受けた。チョムゲブログ:物語という公式(2008/11/9の記事)にも書いたけど、先人の発見を土台にして研究する(つまり端折れる)ということでは、誰か(人間)が発見した方法を用いるか、コンピュータが発見した方法を用いるかだけの差で、コンピュータも人間が造ったものだということを忘れずに考えたら、大差ないのかもしれない。

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