(Amazon.co.jpより)
内容(「BOOK」データベースより)
姉とその娘が大阪からやってきた。三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。第138回芥川賞受賞作。
「ゴッド・オブ・ウォーIII」の次が芥川賞受賞作の記事になってるブログなんてめったにないでしょ。でも、まあいいじゃん。
『そらすこん
『そらすこん』は川上未映子氏のブログに加筆した随筆集で、それ読みながらももうこれただのミュージシャンのエッセイじゃないだろ的な感触がすごくして、このひとが作った物語っていうもんがいったいどんな話なのかと、ぜしとも読みたくなった。いずれ読むだろうとは思ってたけど、もう、すぐ読みたくなった。で、読んだ。
特徴のある関西弁の語りがどうとかっていうのもそれはそれで意見を分かれさしていていい具合なんだけど、あと文章のテンポが良いの悪いのとかっていうのもだけど、それはそれで戦わしといて、テーマ。
『乳と卵』っていうタイトルからして、このテーマがやっぱり重要だなあと思った。人間の50パーセント、つまりは女性、「にしか書けないテーマ」ってことはないけれど、「がこのテーマを書いた」っていうのは感じられた。月イチで股から血を流すひとびと。
ラストのほうで泣きながら玉子を頭にぶつけまくるシーンなんてもう最高に良かった。「色んなことが、色んなことが、色んなことが」って姪の緑子が三回も繰り返すんだけど、まさにそのとおり、あそこらへんに色んなことが描かれてたように思う。
比喩としては、その玉子はもちろん、その数ページ前の、「わたし」がフレンチドレッシングを流しに捨てるところもとても象徴的だった。
それプラス、設定としての緑子の失語。途中に「しゃべらんとこう」ってあったので正確に失語ではなかったのかもしれないけど、この筆談による会話の静けさが、饒舌になりがちな語りの中に抑制をおくのにばっちりで、これがラストシーンで緑子の感情が爆発的にあふれ出すのを描くのに効果てきめんだった。
ここから余談ですが、
さっこん、食べ物でも飲み物でもを買うとき、
商品に、成分表示はいわずもがなで、アレルギー物質の表示もほとんど全部に書いてあるじゃないですか。(詳しく知らないけどあれたぶん、書いてないと誰かにこっぴどく怒られるから書いてあるんだろうな。)
で俺、最近そこらへんもチラ見して買うようになってしまったわけですが、まあだからといって、あれが入ってるからダメだとかいって買いやめたりはしないんですが、
こないだコンビニで100パーセントのアップルジュース買ってそれ飲みながらパッケージ読んでたら、
まさかのというか案の定というか、「本商品に含まれているアレルギー物質」欄があって、
ふつうは何十項目か並んでるうちのいくつかが色塗ってあったりしますけど、
これのときには太字で「りんご」といっこだけでかでかと書いてあって、そらそうだろうよとちょっと笑っちゃいました。
どこをどう間違ったら林檎アレルギーの人が果実の絵入りの100%アップルジュースを買っちゃうわけよって。徹底的だなって。
#追記 2010/09/21
文庫版が出たようです。
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