残った右(あるいは左)の片方だけのくつ下の気持ちを思うとやるせなくなるじゃないですか。他のプルカツのソックス見てためいきついてると思うんですよ。しかもそのプルカツが穴の開くほど履きこまれてたりしてたら羨ましくてしょうがなくて、それに引きかえ自分はどうだ、っつって自己嫌悪に陥っちゃうと思うんですよたぶん。かわいそうに。
でね、俺それの、抜本的解決法というか、根絶方法、すべての残されたくつ下たちがくたびれて穴が開くまで生きていけるっていう画期的な救済策を思いついちゃって。悲劇の連鎖を食い止めることができると思って。
俺の出した結論はいたってシンプル。
- 「黒いくつ下しか買わない。」
これだよ。これで相方が蒸発したくつ下も、そいつはそいつでこれからも活躍し続けられるでしょう?
だってさ、ペアじゃないんだもん。そりゃ買ってくるときはふたり仲よくしてますけど、ずっと一緒だよねとかおれたちふたりでひとつだかんな一生、とか言ってますけど、そんなもんね、洗濯したら洗濯機の中でシャッフルされんだよ。カップルがシャッフルされる、っつうかプルカツがフルシャツされんだよ。
そんで脱水終わったらハトが豆鉄砲喰らったみたいな顔して、あービクリツしたぁー何今のちょー目ぇ回ったし、とか言って出てきて、あれ、相方どこだっけっつって、でも誰が誰だかわかんなくなっちゃって、ずらりと並んで干されるわけ。
乾いたあとは、もう畳む人の気分次第でマッチングされるわけ。運が良ければ元鞘ですけど、まーそんなことがずっと続くわけないの。定期的に違うやつとペアリングされるの。
でもね、気持ちの切り替え早い彼らだから、そうなったらなったでうまいことやってくの。さーシャキッと行くかーっつって新しいコンビでやり始めるの。
そしてある日、面子の誰かがいきなりふっといなくなるわけですけど、残った彼らも彼らで、ハード&タフな現実の生活ってもんがあるわけで(くつ下たちは大変なんだよ、俺なったことないけどw)、そいつのことを心配するこたーするんだけど、そう憂いてばかりもいられないの。たまに飲み屋で、あいつ今頃どうしてんのかね、ぐらいは気にしてる、そんな感じで回ってくの。
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ここまでが、だいぶ前に俺が見出した解決案。完璧だと思ったね、我ながら。もう何も気がかりはなくなった、そう思ったよね。
そんで俺ね、ついこないだまで、これ実践してたの。かれこれ二年ぐらい。すげーラクだったよ確かに。いちいち点呼する必要もなくなったし、洗濯して乾いたらどんどん端からペアにしてきゃいいだけだもん。
----ここから本題に入ります----
でもあったよねやっぱり。
月に叢雲花に風、好事魔多しだよ。落とし穴っていうのはどこにでもあったんだよ。
「なんで誰もやらないんだろう? あるいはなんでやってると言わないんだろう? やってみればいいかもとさえ言わないんだろう?」と常々思ってたんだけど、その疑問が、ある日、とんでもないかたちで解消されたの・・・。
一言で言うと、「くつ下にも個体差があったのだ」。
それまでぜーんぶ黒いくつ下でやってきたんだけど、いつものようにペアリングしてて、ふと気づいちゃった。
二つのくつ下の、色の褪せ方とか口ゴムの伸び具合とかが、どう考えてもこれとこれのペアしかありえねーだろっていうのが出てき始めたんだよ。いや、確かに全部同じくつ下なんだよ。全部同じユニク○の黒いくつ下なの。品番もたぶん全部同じ。いうたら同じ日に同じ棚から鷲掴みしてレジに持ってったんだから。
「全部同じなら均等にくたびれていくだろう」、そう思っていたら大間違いだった。洗濯のたびにフルシャツされるってことは、ぶっちゃけ、バラバラの柄のくつ下を均等にくたびれさせていくよりも難しいのだ。
バラバラなら「最近このくつ下履いてねーな、じゃあ今日はこれを履こうか」とか「これはオキニでちょっとヘビロテ気味だからしばらくベンチで休ませよう」とか、そういうペース配分がむしろカンタンなのだ。
全部同じ柄だとこうはいかない。なにしろ、そういうのを避けるためにオソロにしたんだから、区別なんかできっこない。まだ新しくてくたびれていないうちは特にそう。どれも一緒に見える。当たり前だけど。
そうすると、くたびれ具合は同じぐらいに進むだろうというチョッカンに反して、やけに老け込むやつが出てきはじめる。何かの拍子でそいつの出番が多かったとかそういうことだと思う。そうなると、ペアを組ませるこっちの立場としては、いちばんくたびれているそいつとは、二番目にくたびれてるやつをくっつけたくなるのが人情ってもんだ。
そうやって、いつも畳んでるうちにだんだん、同じやつ同士でペアを組むことが自然と多くなってくる。全部同じ黒いくつ下なんだけど、それがゆえに微妙なくたびれ加減というものが余計に目立ってきちゃうのだ!
これって、ある程度けっこうな期間履かないとわからないことだし、ある程度けっこうな期間履いたあとに気づくからこそ、落とし穴の深さがハンパない。しかも最初のうちで「うはw俺天才じゃねw」とか有頂天になっちゃうと、落とし穴の深さよりもう少し上から落ちますので落差がいくぶん増します。
気にしなきゃ別に気にならないことなんだけれど、こんなことならハナっからいろんな色のくつ下履いときゃ良かったよ!!
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